シンシアの活動
◆参加することで安心感を
この自助グループは、「共通の困難を抱えているひきこもりの当事者同士が支えあい、それぞれのあり方で前進しようとする自主運営グループ」のことです。事実を語り共感し合い、お互いの経験などを分かち合う場です。グループ内ではみな対等の立場で話をし、相手の話を聴き合います。
この会に参加することにより、得られるのは、安心感だと考えています。なぜなら、お互いが自分自身のこころを開示することによって、他の人を受け入れ易くなるからです。
また、会を運営するスタッフは、ひきこもり・ニート経験者が男女5名おり、どのように彼らが立ち直っていったのか、経験を参考にしながら安心して語り合うことができることもポイントです。また、お坊さんが必要に応じてスタッフをサポートしています。
◆ある日のシンシアの様子
その日の開催は、小雨の降りしきる中、静かなスタートとなりました。お寺が会場ということもあるせいか、参加者・スタッフもかなり緊張した感じがありました。参加者の集まりぐあいもばらばらで、若干開始時刻を遅らせてはじめました。
まず、てらネットEN発起人・全青協主幹の神仁が、参加者に「お互いがつながりの中で生き、そして支え合っていくことの大切さを感じましょう」と話しました。その後、お互いの緊張をほぐすためにアイスブレイクを行いました。
立ったままみんなで輪をつくり、目をつぶってゆっくりと前に進み、ぶつかった人と次々に握手をしていきます。何人もの相手とふれ合っていくうちに、参加者からは次第に笑みがこぼれるようになりました。
◆雑談から切実な話題へ
緊張感が和らいできたところで、円を描くように丸く座り、それぞれが簡単な自己紹介を行いました。参加した動機やこの会でやりたいこと、望んでいることなどを順番に話してもらいました。
次に、これといったテーマを決めるのではなく、お茶を飲みながら自由に話を進めました。たまたまスポーツなどの話題があがり、ある参加者は、大リーグの松井選手やイチロー選手などがなぜ成績不振になったのかといった、野球についての詳細な話を提供してくれました。
そして話の流れで、次第に参加者からポツポツと自分の今おかれているひきこもりの現状について、聴くことができました。たとえば、自分の年齢が40歳近くなってきて、なんとか40歳前には立ち直りたいことや、家族や仕事(就労)の話にまで及びました。参加者の話を聴いていると、「なんとかこの現状を打破したい」という、切実な気持が伝わってきました。
途中、スタッフとして参加している女性のひきこもり経験者が、自分の過去について話をしてくれました。数年前に生死を左右するほどの病にかかり、手術を受けたこと。そして、死の恐怖から、どのように立ち直っていったのか。家族や兄弟のありがたさ、いのちの不思議さ尊さ、人とのつながりをその時にやっと実感できたことなどを語ってくれました。
彼女の話を聴いて、参加者の多くがうなずいていました。きっと自分自身の経験と重なる部分があったのでしょう。
◆人とのつながり合いを実感
会の最後に参加者は円を描くように座ったまま、両隣の人と手をつなぎました。そして握手をされたら隣の人に握手をリレーしていき、みんながつながり合っていることを実感し、この日の会は終了となりました。
今後も多くの方々が自立にむけて大きな一歩を踏み出せることを切に望み、メンバー一同会場にてお待ちしています。開催は原則的に、毎月第4水曜日の各午後2時からの開催予定。誰でも参加できる会ですので、参加ご希望の方、詳細を知りたい方は、てらネットEN事務局03(3541)6746までお問い合わせください。てらネットENとしては、今後一つでも多くのお寺で自助グループが開催されるよう願い、活動を支援していきたいと思っています。
また、てらネットENの活動や不登校・ひきこもりについての対応方法などをまとめたリーフレットも配布しておりますので、あわせてご利用ください。